🟪 技術・人文知識・国際業務 採用実務シリーズ 第8回【最終回】
外国人を「採用できる会社」と
「雇用を続けられる会社」は違います
~外国人採用を始める前に、企業側で考えておきたい3つのこと~
ここまで、
外国人留学生の募集・面接に始まり、内定、在留資格変更、入社に至るまで
を見てきました。
最後に、これから初めて外国人を雇用する企業向けに、
採用前に考えておきたい3つのことをお伝えします。
① 在留カードと在留資格について、会社側も基本を理解する
外国人を雇用する以上、
在留カードの見方や、予定している仕事内容と在留資格の関係について、
会社側も基本的な知識を持っておくことが大切です。
例えば、
現在の在留資格は何か
在留期間はいつまでか
就労制限はあるか
資格外活動許可はあるか
予定している仕事内容と在留資格の関係はどうか
在留資格変更・更新が必要になる時期はいつか
といった基本事項です。
会社自身が基本事項を確認できるようにしておき、
判断が難しい部分は専門家に相談する。この役割分担を考えておくことが重要です。
また、外国人を雇用する事業主には、
雇入れ・離職時の「外国人雇用状況の届出」も義務付けられています。
② 特定技能制度の「支援」項目について、
自社の受入れ体制の参考にする
特定技能1号では、外国人が日本で安定して働けるよう、
事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情への対応など
10項目について、企業に外国人支援を義務付けしています。
企業は自社で支援を行うほか、登録支援機関に委託することもできます。
一方、技術・人文知識・国際業務では、
特定技能1号と同じように支援が義務付けられていません。
しかし、それは
「義務ではない」=「何もしなくてよい」ということではありません。
採用した外国人が日常生活や仕事で困った場合、相談できる人が社内にいないと、
問題が長期化し、雇用継続に支障が生じることがあります。
例えば、
困ったときの相談担当者を決める
会社のルールを分かりやすく説明する
日本語での意思疎通に問題がある場合の対応を考える
在留期間を会社でも管理する
必要に応じて行政機関等の情報を案内できるようにする
など、自社でどこまで対応するかを事前に決めておくと、採用後の負担を減らせます。
特定技能の支援制度は、そのための参考モデルとして見ることができます。
③ 助成金・支援制度も確認する
外国人を採用するときは、採用費だけでなく、
外国人が働きやすい職場環境を整えるための費用も考えておきましょう。
厚生労働省には、
「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」があります。
外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、職場定着に取り組む事業主を
対象とした制度です。
令和8年度も制度が設けられており、
多言語化や苦情・相談体制の整備などが対象として整理されています。
助成金には要件がありますので、
外国人を採用する前に、利用できる制度がないか確認してみるとよいでしょう。
※助成金・支援制度は変更される場合があります。
利用を検討する際は、最新の制度内容をご確認ください。
外国人を「採用できる会社」と「雇用を続けられる会社」は
違います
外国人雇用では、「この人を採用できるか?」だけでなく、
「採用した後も、この会社で働き続けられる環境を用意できるか?」
まで考えることが大切です。
在留資格について会社側でも基本を理解する
外国人社員が困ったときの相談体制を考える
利用できる助成金・支援制度を確認する
そして、
自社で対応すること・専門家に相談すること・外部機関に委託すること
を整理しておく。
これが、初めて外国人を雇用する企業にとって、採用後も無理なく雇用を続けるための
準備になります。
外国人雇用は「在留資格を取れば終わり」ではありません。
採用する前に、採用後まで見据えた受入れ体制を考えておくこと。それが、外国人を
「採用できる会社」から「雇用を続けられる会社」になるための第一歩です。
【技術・人文知識・国際業務 採用実務シリーズ】完
全8回にわたり、初めて外国人を採用する企業が知っておきたいポイントを、
採用の流れに沿って解説してきました。
外国人雇用を取り巻く制度は、今後も変更される可能性があります。
今後、大きな制度改正や企業の実務に影響する変更があった場合には、
改めてご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考資料
出入国在留管理庁「特定技能制度」
出入国在留管理庁「登録支援機関」
厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」


