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🟥特定技能制度シリーズ 第10回

執筆者の写真: EISHI HANZAWA
EISHI HANZAWA
8月22日
読了時間: 6分

特定技能外国人は転職できる?

~退職した場合の手続と注意点~


前回は、特定技能1号と特定技能2号の違いについてお話しました。


今回は、特定技能外国人が「今の会社を辞めて、別の会社で働く」ことはできるのか?

をテーマに、お話を進めていきたいと思います。


結論からいうと、特定技能外国人も転職することは可能です。

ただし、新しい会社が決まれば、そのまますぐに働けるわけではありません。


特定技能外国人の転職・退職について、企業が知っておきたいポイントを整理します。


特定技能外国人は転職できる

特定技能外国人も、一定の条件を満たせば別の会社へ転職することができます。

ただし、転職先でも、特定技能の在留資格に必要な条件を満たしている必要があります。


また、転職によって特定技能所属機関が変わる場合には、原則として

新しい雇用契約などに基づき、「在留資格変更許可」の手続が必要になります。


🔳特定技能外国人が転職する際の一般的な流れ

・A社を退職

  ↓

・B社と特定技能雇用契約を締結

  ↓

・在留資格変更許可申請

  ↓

・許可

  ↓

・B社で就労開始


つまり、「採用が決まったので、来週から働いてください」

とはならない点に注意が必要です。


技術・人文知識・国際業務とは考え方が違う

ここは、企業が混同しやすいポイントです。

「技術・人文知識・国際業務」で働いている外国人が転職する場合と比べてみましょう。

比較項目

特定技能

技術・人文知識・国際業務

転職時の在留資格変更許可申請

原則必要

原則不要

新しい会社での就労開始

原則として許可後

在留資格の活動範囲内であれば可能

在留期限が来た場合

更新手続

更新手続

本人による届出

入管へ14日以内

入管へ14日以内

企業側の主な雇用関係の届出

ハローワークへの外国人雇用状況の届出・入管への特定技能関係書類の届出

ハローワークへの外国人雇用状況の届出

「技術・人文知識・国際業務」では、転職後も引き続き「その在留資格に該当する活動」

を行う場合、転職した時点で原則として在留資格変更許可申請は必要ありません。


「特定技能」では、転職によって所属機関が変わる場合、新しい勤務先で就労するための

在留手続が必要になります。


採用する企業は「以前に技人国の外国人を採用したときは、転職後すぐに働けたから、

特定技能も同じだろう」と考えると、手続を誤る可能性があります。


退職・転職では「本人」「企業」の届出を分けて考える

特定技能外国人が退職や転職をする場合、『届出』で混乱しやすいポイントがあります。


外国人本人は、会社との契約を終了した場合や、新しい会社と契約した場合、

原則として『14日以内に出入国在留管理庁へ届出』を行います。


これは『所属(契約)機関に関する届出』です。

「特定技能」だけでなく「技術・人文知識・国際業務」なども『届出』の対象となります。


一方、企業には、外国人本人が行うものとは別に『届出』すべきものがあります。


特定技能では、企業側にも入管への届出がある

特定技能外国人を雇用する企業は、「特定技能所属機関」として、

  • 特定技能雇用契約を変更・終了した場合

  • 新たに締結した場合

などに、『特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出』を作成し、

原則として『14日以内に出入国在留管理庁へ届出』を行う必要があります。


例えば、

  • 特定技能外国人が退職した

  • 新しい特定技能雇用契約を締結した

  • 雇用契約の内容を変更した

といった場合です。


つまり「特定技能」では、「技術・人文知識・国際業務」のように、

外国人本人だけが入管へ届出をすれば足りる手続きになっていません。


特定技能では、企業側の入管への届出も必要

外国人の雇用・離職が発生した場合、原則として、

企業は『外国人雇用状況の届出』をハローワークへ行う必要があります。


「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格では、

企業がハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行う場合、

企業が別途、入管へ行う通常の『所属機関による届出』は不要(省略)となります。


ただし「特定技能」の場合は、

企業がハローワークへ『外国人雇用状況の届出』をしても、

特定技能所属機関として入管への届出が必要です。

「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」は省略されません。


この点も、「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」の違いです。


退職後、何もしなくてよいわけではない

特定技能外国人が退職した場合、在留カードの有効期限が残っていれば、

直ちに在留資格を失うわけではありません。


しかし、

「在留カードの期限まで、何もしなくても大丈夫」とはなりません。


なぜなら、正当な理由なく在留資格に基づく活動を行わない状態が続く場合、

在留資格の取消しに関する問題が生じる可能性があるからです。


退職後は、転職先の確保や必要な手続を進めることが重要です。


企業が確認したいポイント

特定技能外国人を転職採用する場合は、次の流れを意識すると分かりやすいでしょう。


🔳特定技能外国人が転職する際の一般的な流れ(詳細)

・退職

 

本人:入管への届出前職の企業:入管&ハローワークへ必要な届出

  ↓

新しい勤務先を決定

 

特定技能雇用契約を締結

 

在留資格変更許可申請

  ↓

許可

 

新しい会社で就労開始

本人:入管への届出新しい企業:入管&ハローワークへ必要な届出 


特定技能外国人は転職できます。

しかし「新しい会社が決まれば、すぐ働ける」とはなりません。


特に「技術・人文知識・国際業務」とは、

転職時の在留手続や企業側の届出の仕組みが大きく異なります。


「外国人雇用」と一括りにせず、在留資格ごとの違いを理解することが大切です。


まとめ

特定技能外国人が転職する場合、企業が押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • 転職先でも特定技能の条件を満たす必要がある

  • 新しい勤務先で働くための在留資格変更手続が必要

  • 外国人本人は入管への届出が必要

  • 企業は特定技能所属機関として入管への届出が必要

    ※ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」を行っても、特定技能関係の入管への届出は省略されません。

  • 技術・人文知識・国際業務とは、転職時の手続が異なる


次回予告

次回は、「特定技能外国人は派遣できる?農業・漁業の例外と技人国との違い」

について整理します。


参考資料

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