🟥特定技能制度シリーズ 第16回
特定技能外国人を受け入れられなくなったら?
~「受入れ困難に係る届出」とは~
前回は、「登録支援機関との支援委託契約を変更・終了・締結した場合の届出」
について解説しました。
今回は、特定技能外国人を受け入れている企業に、別の問題が起きた場合です。
例えば、
会社の経営上の理由で雇用を続けられなくなった
特定技能外国人が行方不明になった
特定技能外国人が死亡した
その他の事情により、受入れを継続することが困難になった
といった場合です。
このようなときに使用するのが、
参考様式第3-4号「受入れ困難に係る届出書」です。
「受入れ困難」とは?
ここで重要なのは、
「雇用契約が終了したら出す届出」ではないということです。
第13回で扱った「特定技能雇用契約の終了に係る届出」とは、別の届出です。
「受入れ困難に係る届出」は、
【特定技能外国人を継続して受け入れることが困難になった時点】で行います。
そのため、実際の退職日より前に届出が必要になるケースがあります。
例えば「会社都合で解雇する場合」
例えば、
会社の経営上の理由から、特定技能外国人を解雇するとします。
この場合、解雇日になったら届出ではありません。
入管庁の資料では、【経営上の理由で解雇の予告をした時点】を
「受入れ困難となった時」として、14日以内に第3-4号を提出するとされています。
つまり、
解雇を予告した=受入れを継続することが困難になった=第3-4号を提出
という考え方です。
行方不明になった場合も対象
特定技能外国人が行方不明になった場合も、この届出の対象です。
この場合は、行方不明となった時点が基準になります。
なお、第3-4号だけで終わるわけではありません。
行方不明の場合には、届出内容に応じて、
『行方不明が判明した際の状況説明書』(参考様式第5-15号)の提出も必要です。
「退職したい」と言われただけなら?
ここも企業が迷いやすいところです。
特定技能外国人から、「会社を辞めたい」と申し出があっただけで、
直ちに第3-4号を提出するわけではありません。
入管庁の資料では、自己都合退職の申出があったという事実だけでは、
受入れ困難の届出は不要とされています。
その後、実際に退職した場合には、別途、
『特定技能雇用契約の終了に係る届出』が必要になります。
ここは、第13回で解説した「雇用契約終了の届出」と区別して考える必要があります。
いつまでに提出する?
受入れ困難に係る届出は、
受入れが困難となったときから14日以内が原則です。
ただし、会社都合による解雇などでは、実際の雇用契約終了日ではなく、
【受入れ困難となった原因が発生した時点】が基準になる場合があります。
そのため、
「退職日が決まってから考えればいい」では、間に合わない場合があります。
記載例を見ると分かりやすい


第3-4号を見ると、
誰についての届出なのか
受入れ困難となった理由
その事由が発生した日
特定技能外国人の現在の状況
今後の活動継続のための措置
などを記載する構成になっています。
つまり、この届出は単に、「退職しました」と入管へ報告する書類ではありません。
「なぜ受入れが困難になったのか」
「その外国人が現在どういう状況なのか」
「今後どうするのか」
までを届け出るものです。
企業が覚えておきたいポイント
受入れ困難に係る届出は、次のように考えると分かりやすいでしょう。
状況 | 確認する届出 |
経営上の理由で解雇を予告した | 第3-4号 |
特定技能外国人が行方不明になった | 第3-4号+必要な説明書 |
特定技能外国人が死亡した | 第3-4号 |
自己都合退職の申出を受けただけ | 原則、第3-4号は不要 |
実際に雇用契約が終了した | 第3-1-2号等を確認 |
※実際の届出は、個別の事由に応じて必要書類を確認してください。
まとめ
今回のポイントは、
参考様式第3-4号は「受入れ困難に係る届出書」
『雇用契約終了の届出』とは別
受入れ継続が困難となった時点が基準になる
原則として14日以内に届出
経営上の理由による解雇では、解雇予告時点が届出の起点になる場合がある
行方不明などの場合も対象
自己都合退職の「申出」だけでは、原則として第3-4号は不要
という点です。
特定技能の届出では、「何が起きたか」だけでなく、「いつ、受入れが困難になったのか」
を見ることが重要です。
次回予告
次回は、特定技能の「基準不適合」とは?
~参考様式第3-5号で確認する企業側の届出~ について整理します。
特定技能所属機関が基準を満たさなくなった場合
特定技能外国人について不正行為などがあった場合
に関係する届出です。
入管庁の現行資料では、賃金不払、暴行・脅迫、旅券・在留カードの取上げ、
労働関係法令違反なども例示されています。




