🔷特定活動制度シリーズ 第5回
更新日:9月9日
特定活動ではどんな仕事ができる?
~就労できる特定活動の代表例~
「特定活動」という在留資格を持っている外国人が、会社の求人に応募してきた場合、
その人は会社で働けるのでしょうか?
「特定活動」と書いてあるだけでは、判断できません。
なぜなら、「特定活動」は
外国人ごとに法務大臣が具体的な活動を指定する在留資格だからです。
今回は、企業が特定活動の外国人を採用するときに混乱しやすい、
「特定活動」
【指定書】
『資格外活動許可』
この3つの関係を整理し、実際に就労できる代表的な特定活動を見ていきます。
まず、「特定活動」【指定書】『資格外活動許可』を分けて考えます
■「特定活動」=在留資格
「特定活動」は、外国人が日本に在留するための在留資格の一つです。
ただし、「特定活動」という名前だけでは、
その外国人が具体的に何をするために日本に滞在しているのか分かりません。
「特定活動」には、非常に多くの種類があるためです。
■【指定書】=その人に指定された活動を確認するもの
「特定活動」は、外国人ごとに具体的な活動が指定されます。
その内容を確認するための書類が**【指定書】**です。
【指定書】は旅券(パスポート)に添付されます。
「特定活動」の場合、就労制限の有無欄には、原則として
『指定書により指定された就労活動のみ可』と記載されます。
■『資格外活動許可』=「特定活動」とは別の活動をするための許可
一方、「資格外活動許可」は、現在持っている在留資格に属さない
収入を伴う事業
報酬を受ける活動
を行う場合に必要となる許可です。
例えば、「留学」の在留資格で在留している外国人が、アルバイトをする場合などが
代表例です。
『資格外活動許可』を受けた場合は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に
許可の概要が記載されます。
ここは、本シリーズ第4回で触れたところですが、【指定書】との役割を整理するため、
簡単に再掲載しています。
「特定活動」で働けるのはどんな場合?
「特定活動」には、その「特定活動」として指定された活動の中に、就労が含まれている
種類があります。
今回は、その代表例を見てみましょう。
① 特定活動46号(本邦大学等卒業者)
「特定活動46号」は、日本の大学等を卒業した外国人が、一定の要件を満たした場合に
対象となる特定活動です。
この特定活動では、一定の要件のもとで、例えば飲食店での接客など、
「技術・人文知識・国際業務」では認められにくい業務も対象となります。
ただし、「特定活動46号なら、どんな仕事でもできる」という訳ではありません。
あくまで、46号として認められた活動の範囲内で働く必要があります。
② ワーキング・ホリデー
ワーキング・ホリデーも、特定活動の一つです。
休暇を主な目的として日本に滞在し、その滞在中の旅行・滞在資金を補うための就労が
認められています。
そのため、「ワーキング・ホリデーだから、資格外活動許可を取って働く」
という制度ではありません。
ワーキング・ホリデーとして指定された活動の範囲内で就労することになります。
入管庁も、「特定活動」の外国人を雇用する場合には【指定書】を確認し、
ワーキング・ホリデー等については、【指定書】に記載された範囲で雇用するよう
案内しています。
③ EPA看護師・介護福祉士候補者
EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者も、「特定活動」として指定された活動を
行うケースです。
例えば、
EPA介護福祉士候補者の場合、協定に基づいて指定された受入れ機関との雇用契約のもと、必要な知識・技能に係る研修として業務に従事します。
したがって、「特定活動だから、どの会社でも働ける」というものではありません。
どのような活動が指定されているのか
どの受入れ機関で活動することになっているのか
を確認する必要があります。
「特定活動=就労できる」ではありません
ここまで読むと、
「特定活動には働けるものがあるんだな」ということが分かってきます。
しかし、特定活動には就労を目的としないものもあります。
例えば、日本の大学や専門学校などを卒業した外国人が、
卒業後も日本で就職活動を続けるための「特定活動」があります。
この場合、「特定活動」そのものが、就労を目的として指定されているわけでは
ありません。
ただし、一定の要件を満たして資格外活動許可を受けることで、
許可された範囲内で働ける場合があります。
つまり、
特定活動=必ず働ける でも、
特定活動=絶対に働けない でもありません。
その人について、どの活動が指定されているのかを確認することが重要です。
💡企業担当者は、こう考えると分かりやすい
■「特定活動」として就労する場合
・在留カード
↓
・【指定書】を確認
↓
・指定された活動と会社の仕事内容を照合
■『資格外活動許可』によって就労する場合
・在留カード裏面
↓
・資格外活動許可の内容を確認
↓
・許可された範囲で就労
企業が確認する順番
では、会社の採用担当者は、実際にどのように確認すればよいのでしょうか。
まずは、在留カードを確認します。
① 在留カード表面を見る
「在留資格」が特定活動になっているか確認します。
そして、〖就労制限の有無〗欄を確認します。
「特定活動」の場合、入管庁の案内に説明がある通り、
〔【指定書】により指定された就労活動のみ可〕と記載されます。
② 指定書を確認する
次に、旅券に添付されている【指定書】を確認します。
ここで、「この外国人には、どのような活動が指定されているのか?」を確認します。
③ 会社で予定している仕事内容と照らし合わせる
最後に、「指定された活動」と「会社で実際に担当してもらう仕事」が合っているか?
を確認します。
この3つをセットで考えることが大切です。
ここで「資格外活動許可」が出てくる
では、『資格外活動許可』はどこに出てくるのでしょうか。
例えば、就職活動を続けるための「特定活動」などでは、一定の要件を満たして
『資格外活動許可』を受けることで、許可された範囲内で働ける場合があります。
この場合、
「特定活動」そのものとして就労は認められておらず、
『資格外活動許可』によって、別の活動として就労が認められている
ということになります。
まとめ|3つを混同しないことが大切
今回のポイントを整理します。
用語 | 役割 |
特定活動 | 外国人の「在留資格」 |
指定書 | その外国人に指定された具体的な活動を確認するもの |
資格外活動許可 | 現在の在留資格に属さない活動を、許可された範囲で行うためのもの |
そして、企業が「特定活動」の外国人を採用するときに大切なのは、
「特定活動」という資格だけでは判断できないということ。
まず在留カードを確認し、「特定活動」であれば【指定書】の内容を確認します。
そのうえで、指定された活動と、会社で予定している仕事内容が合っているか
を確認します。
『資格外活動許可』がある場合には、
在留カード裏面の「資格外活動許可欄」も確認します。
入管庁も、資格外活動許可を受けている場合には、許可の種類に応じた記載を
在留カード裏面にすると案内しています。
「特定活動」
【指定書】
『資格外活動許可』
この3つを分けて考えると、特定活動の外国人を雇用するときに、
どこを確認すればよいのかが見えてきます。
次回は「指定書」を実際に見てみます
ここまでで、
「特定活動の人は、具体的に何ができるのかを指定書で確認する」
ということが分かりました。
では、実際の【指定書】には何が書いてあるのでしょうか?
次回は、実際の【指定書】の見本を見ながら、「企業はここを確認する」というポイントを具体的に見ていきます。
参考資料
出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』」
出入国在留管理庁「在留カードはどういうカード?」
出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」
出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
出入国在留管理庁「在留カードの見方」



